パフィオペディラムの植え替え
このページでは、私が普段行っている、プラスチック鉢とミックスコンポストを使ったパフィオペディラムの植え替え方法をご紹介します。胡蝶蘭やカトレアには、そのまま当てはまらない部分もあります。
作業の様子がわかる解説動画も、現在準備しています。
1. 植え替えのタイミング
春や秋の、暑すぎず寒すぎない時期がおすすめです。真夏・真冬や、その直前はなるべく避けましょう。
蕾や花が付いている株は、開花への影響を考えて時期を判断してください。鉢とコンポストが同梱されていても、すぐに植え替える必要があるとは限りません。
ただし、根腐れが疑われるときは別です。季節にかかわらず、まずは株の状態を確認し、必要であれば早めに植え替えましょう。傷んだ根の見分け方は「5. 根の扱い」で説明しています。
2. 用意するもの
- プラスチック鉢(おすすめは透明鉢)
- ミックスコンポスト
- 清潔なハサミ・ピンセット(必要なとき)
- 新聞紙やトレー(作業場所に敷くもの)
同梱の鉢とコンポストは、そのまま植え替えに使えるものです。
透明鉢をおすすめしているのは、根の状態や植え込み材の入り具合、乾き具合を外から見やすいからです。透明鉢でなくても育てられます。
ハサミやピンセットは、株ごとに清潔なものを使います。私は刃先や先端を十分に火で炙って消毒しています。
植え替えに使う鉢やミックスコンポストは、当店の「栽培資材」ページでもご紹介しています。
3. 鉢のサイズ
根が無理なく収まる、なるべく小さな鉢を選びましょう。大きすぎる鉢は植え込み材が乾きにくくなり、根が傷みやすくなります。根を折ったり、押し込んだりしないでください。
4. 古い鉢からの取り出し方
プラスチック鉢の周りを手で軽くもむと、ぱかっと外れることが多いです。ミックスコンポストで植えている場合は特にそうです。
水苔で植えている場合などは、はがれにくいこともあります。そのときは、ピンセットを鉢の内側の縁に沿って差し込み、てこの原理で少しずつはがします。根を挟んだり突き刺したりしないよう、ピンセットは鉢の壁に沿わせて動かしてください。きっかけができると、すっと抜けます。
古い植え込み材は、指やピンセットで優しく落とします。根に強く絡んでいるものは、無理にはがして根を傷つけないようにしてください。
5. 根の扱い
パフィオペディラムは根を傷めると回復に時間がかかることがあるので、根を生かすことが何より大事です。特に株元に近い部分は慎重に扱い、健康な根はなるべく残しましょう。
根は健康でも茶色っぽいことがあります。取り除くのは、中身がスカスカになった根や、柔らかく崩れる根など、明らかに傷んだものだけ。迷ったら切らずに残してください。
無理な株分けも避けましょう。私自身、パフィオやカトレアを細かく分けすぎて枯らした経験があります。
6. 植え込み材の入れ方・植え付ける深さ
根はすべて植え込み材で覆い、根の生え際まで十分に植え込みます。ただし、葉の付け根は埋めすぎないでください。
根が見えるほどの浅植えも、葉の付け根が埋まるほどの深植えも避けましょう。
植え込み材は、根のまわりに大きな空洞が残らないように入れます。鉢を軽くとんとんと叩いたり、指で表面をやさしくならしたりすると、隅々まで行きわたります。強く押し固める必要はありません。植え込み材のすき間は、空気の通り道にもなります。
透明鉢なら、植え込み材がどこまで入っているか、大きな空洞がないかを、鉢の側面から確認できます。
7. 植え替え後の水やり
植え替えた当日にも水を与えます。当店の環境では、その後約1か月は3日に1回、1か月後からは通常の週1〜2回に戻しています。
植え替え直後に回数を増やしているのは、当店で使っている新しいミックスコンポストが、水をはじきやすく吸水しにくいためです。
ただし「3日に1回」は決まりではなく、目安です。気温が低い時期や乾きにくい場所では、間隔があくこともあります。水やりの前に鉢を持ち上げて重さを確かめ、まだ重く、植え込み材が十分に湿っているときは控えてください。透明鉢なら、植え込み材や根の様子を見て、湿っているかどうかを目でも確認できます。
8. 植え替え後の管理
植え替え直後は、根に負担がかかっていることがあります。しばらくは環境を大きく変えず、株の様子を見守りましょう。
肥料はしばらく控えてください。
置き場所や温度などの日常の管理は、「蘭の育て方」ページをご覧ください。